田宮智美の歌
手に取ったお菓子の数やコーヒーの濃さも診断材料めいて 97 心療内科のようなところなのだろう。リラックスさせるために出されるお菓子やコーヒーも「診断材料めいて」警戒してしまう感じは想像できるし、実際にその場のすべては診断材料にもなるんだと思う…
「仮」の感覚。 いま日本で暮らしている一定層の人はこの「仮」の感覚のなかで暮らして(暮らせて)いるのではないだろうか。賃貸アパートで、非正規として、じりじりと年を取り、いつの間にか「仮」とはいえない年月を重ねていく。とてもこわいことだと思う…
この歌について「ランリッツ・ファイブ」の座談会で私は、 美南さんが、文体でも「大丈夫」って言っちゃてるって書いてて、田宮さんの文体って本当に淡々としてて、それこそさっきの歌の、ガラスに映ったふつうの人の文体をしてるんですよね。だけど、中身は…